私が見てきた蒼井翔太
皆さんは「蒼井翔太」をご存知でしょうか。
皆さん「蒼井翔太」と聞いて何を浮かべるでしょうか。
最近知った人は、ポプテピピックの「おーーーーい!!」を浮かべる人が多いでしょうか。
放映時、私の元には「花さん!!!!蒼井翔太が!!!!」というラインやリプやらがたくさんきた。懐かしい。
好きな作品に出ていたから知ってる!という人もいるだろうか。
名前だけ知ってるけど変な人だからあまり好きではないだろうか。
私が蒼井翔太さんを知ったのは7年位前。好きな作品の新キャラとして、当時の彼は完全新人だったので大抜擢でした。
なんていうか彼は変な人だった。
今も変な人ですが。
そこから気になってしまって、気付けば7年。熱心とはいえませんがずっと見てきました。
初めての主演舞台、武道館…先日はウエストサイドストーリーを見てきました。
宮野真守さんとWキャストでした。主演だった。主演なんですよ、この名作の。
正直、宮野さんとのセットでの起用だと思う。レーベルが一緒なんですよ。
WSSは名作なので知ってる人も多いでしょうが、役柄はニューヨークのギャングのボス。
好青年といった感じで宮野さんのイメージにとてもあう。
私は以前にこの舞台を他の劇団で観た事があり内容を知っていたので、「WSSの?トニー??」と思いました。
蒼井さん、役とあってないのでは??と。
彼は中世的なルックスとハイトーンボイスの歌唱を武器にしている。
この男らしい役柄は…合っていのでは…????
不安もあったけど、こんな大舞台に立つのを見なかったら、後悔しそうだなと思い
チケット代15000円ってたかくね~~!!!???と2.5次元慣れしているので一般舞台の価格に目玉を飛び出しながらもチケットを抑えた。
(余談ですが高いだけあってセットも演出も音楽もキャストさん素晴らしく、何より客層の落ち着きが最高でした)
そこでえらく感動をしてしまった。
一流の役者達と対等に渡り合う彼に。
声優という職種ながら歌って踊り立派に主演を務める彼に。
何より、トニーという「男性的」な役柄を演じている蒼井翔太に、それはもう感動してしまった。
これはそういうブログです。
彼は元々アーティストとして活動していたが、まぁ色々あって声優として再デビューして今はまた声優だけでなく役者、アーティストとしても活動しています。
私はその再デビュー作のファンだったので前述したとおりそこで出会ったのですが
何度も言うが、彼は変な人だった。
はじめての作品のライブでは緊張しすぎて名乗るのもおぼつかず、先輩にフォローをしてもらったがなんともいえない空気を作り出し
彼のファンクラブ?動画では「電車で痴漢にあうので対策をしたい」と言い痴漢に立ち向かう様子のメイキング(超金のかかってない動画)(今のYoutuberのがよっぽどちゃんとした動画作ってる)(内容もク…すぎて記憶から消したので良く覚えていません)
とにかく喋れない、喋っても滑る。見てるこっちまで汗かく。
なんかもう「頼む!!もう喋るな!!!もうこれ以上傷つかないでくれ!!!」と願っていた。
しかし歌が抜群に上手かった。
そしてアーティスト活動していただけあって、綺麗な見た目をしていた。
これは蒼井翔太と改名する前のSHOWTA.として活動していたときのベストアルバム。
あまり整形と言わないでやってくれ。
すごい美に対してストイックにやってるから…その姿勢に免じて、言わないでやってくれ!!!
これは美容発言でバズった蒼井翔太。ねっ!美にストイックでしょ!!
だから言わないでやってくれ。
話がそれましたが、そんなこんなの無名の新人声優が
突然人気作に抜擢されたのもあって、ネットでは誹謗中傷もされていたのを知っています。
私も元々作品から好きになって、超実力派や有名声優達の中に突然の不安気な新人!!!!だったので気持ちはわからないでもないけれど、
それにしたってなかなかの言われ様でした。
作品ファンの知人に直接言われた事もある。おそらく本人の耳にもそれなりに届いていたのではないでしょうか。
作品ライブのチケットがとれないのでいつも映像で見ていたけど、ひどく緊張しているのがわかった。
画面越しに、震える手でマイクを両手でギュッと握り締めているのを見ていた。
いつも「何か」と戦っているのがわかった。
頑張れ…!、と、思った。
同時に、(なんだそのマイクの持ち方…)とも思った。
応援したい気持ちと謎の感情を半々に抱え始めました。
その後、アニメ作品から離れても蒼井翔太さんのことはずっと気になってしまい、ゆるくですがずっと追っていました。
心境的には親戚のおばちゃんで、とにかくちゃんとご飯食べているのかを見守りたかった。
ペルソナ3の舞台で 2.5からはじまり
(この舞台で初めて生で蒼井さんを見たのですが歌が上手すぎて気が狂ってしまった)
この春風外伝という舞台は歌あり踊りあり笑いあり涙ありでめちゃくちゃ良かった。
話もおもしろかったし舞台としてとても素敵で、蒼井さんも女性のような見た目をした男性という本人そのままの、非常に良い役をもらっていました。
武道館にも行った。
初めて大きい会場でやってくれて、やっとチケットがとれたのでほんとうにうれしかった…
衣装、どういうこと???
ジャニーズきってオシャ衣装に慣れまくった私は戸惑った。
頭からなんか…生えてる?
角…?
胴体からなんかトゲトゲが突き出しているが貫通しているわけではない。
この衣装を宇宙をイメージしていて、なんか惑星の…アレらしい。本人がステージから教えてくれた。
なぜなら自分でデザインしたからだ。
今すぐ衣装デザインをプロに任せて欲しいと思った。
そしたら次のツアーで、急に普通にかっこよかったりオシャだったり、全てとても似合う衣装になっていた。
これだよこれ!!と思うと同時に、少し寂しく思う自分がいた…
オタク心は複雑である。
こんな感じで楽しく現場に通っていた。
しかし蒼井さんの現場は「どれも最高!!!!!!!!」と言いたいものばかりではなかった…
本人の問題ではなく、演出というか、向けている客層がいわゆる腐女子だったり、アニメを好む女性向けだったので、とにかく方向性が偏っていた。
ストーリーをかいつまんで説明すると、実はかぐや姫は男だった。
政治的な色々から逃げるために身を隠していたが愉快な仲間達と共に冒険をして、己の運命に向き合い一人月に帰っていく。
友情とも恋仲とも解釈できる相手、サン(男)と生まれ変わったらまた会おう…と約束し、
そしてラストに現代で再会。
「君の名は…?」
「蒼井…翔太…」
へえ~~~~~~~~~~~~~~~~~~蒼井翔太ってかぐや姫の生まれ変わりだっんだ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!
白目をむきながら劇場を後にした。オレは一体…数時間何を見せられていたんだってばよ…!?
ポプテピピックといい、こんな作中で自分の芸名名乗ることあるか?
都会の夜風が身にしみた。
ちなみに次作は男の人魚姫です。
メインビジュアルのパンチが強すぎるので語る事は特に無いです。
ドラマですが「…!?」となった最新作はこちら
2.5次元舞台などで大活躍の若手俳優達中心の深夜ドラマになんか歌姫として出演。
なんか、こんなんばっかだな????
また作中で「女じゃないです><」みたいなこと言わされてた。
ような気がする。一応全部見たけどもう記憶がない。
回想の制服姿がキツかったのかモノクロにされてたのが一番おもしろかった。
若俳のファンの人達も、推しを人質にとられて大変だな…と思った。
だってこれイベントあったから円盤買ったんでしょ…大変だな…
そんなこんなでずっと見てきた蒼井翔太。
関わってる人は絶対一生懸命なので、あんまり言うべきじゃないことはわかるけど、それでも言いたい。変な仕事もあった。
主演舞台で恋仲の相手役を男にする必要があっただろうか?
客層に媚びずに作品を作って欲しかった。
何度も「なんでだよ~~~」と思うことがあった。
あとこれは本人のことだけどファンはたむたむのことどう思ってんですか????
これは…蒼井さんがデザインされました…マスコットキャラクターで…グッズがめちゃくちゃ出てます。
魔王しょーたんの家来らしい。
ふーん
また話がそれてしまった。おのれたむたむ…
そんな感じだった蒼井さんは、2016年にレコード会社を移籍します。キングレコードです。大手やん!!!!!
ここが完全に転機だった!!ように見える!!!
仕事内容が変わっていくのがわかった。ポプテピピックも絶対関係している。
彼がどんどん変わっていくのがわかった。
大きなライブでアニソン歌手の代表とも言える水樹奈々さんとのコラボをした。
同じレーベルだから、だけど、蒼井さんは女性でも難しい高いキーを原曲のまま歌い上げた。
とりまく環境が変わって、先日は年末の大型歌番組に出て有名歌手とコラボまでしていた。
なんかもう泣いちゃった。
与えられたチャンスを、しっかり掴み取っている姿を見せてもらっていた。
猛烈に泣けた。
そして先日みたウエストサイドストーリーで彼は、主演を務めた。
登場してきたとき、蒼井さんは白いTシャツにジーンズという姿だったが、身体を鍛えているのが一目でわかった。
ジェンダーレスな細身の身体でずっと売ってきた蒼井さんが、目に見えてがっしりしていた。
女優さんとキスシーンがあった。ベッドから出てきて急いでズボンをはくシーンまであった。
男のかぐや姫で、相手役も男の主演舞台をしていたのに。
こんな大作舞台で。「男」という役を。しごくまっとうに。演じている。
作中の歌も、得意の高音よりも、低いキーの男性らしい歌が多かった。
歌があいかわらずめちゃくちゃ上手かった。
マジで泣けた。
別にジェンダーレスを売りにしてるのが嫌だ!!って言ってるんじゃないんです。
それは間違いなく魅力のひとつだし、男性ファンもいるし、本人もそれをわかってるのか公の場で「男の人が好きなの~?」などのクソ質問されてもどちらとも名言しないようにしている様子が伺える。私の見てる範囲では。
それは本当にどっちでもいいというか、なんでもいいというか、上手い言葉がわからないけど、魅力のひとつだから、大切にしてほしいし、本人もしてると思うんです。
ただ、WSSでは完全にそれに頼らずに、一人の俳優として立派に舞台にたっていて、それがもうめちゃめちゃに泣けてしまった。
この舞台はロング公演で4パターンあって、どれもWキャストで、もっと上手いトニーもいるかもしれない。
最初にも言ったけど正直宮野さんのほうがトニーのイメージに近いし、上手だったかもしれない。
蒼井さんの回しか見ていないのでわからないんですけど、とにかく、彼のトニーが神がかり的にハマってたかというと正直そうでもないと思う。
でも、蒼井さんを長い時間見ていた者としては、本当に胸いっぱいになる舞台だった。
カーテンコールで真ん中にたって、舞台の第一線で活躍するキャスト達に囲まれて、立派なセットと劇場で、笑顔でお辞儀をする蒼井さんを見て
「良かったね…!!!」という言葉しか浮かばなかった。
お客さんも、もっと蒼井さんのファンが目立つとかと思ったけど、そんなこともなく、
私の周りは比較的年齢層の高めなご夫婦や家族、カップルなどが目立っていた。
良かったね。
良かった。
貴方のこんな姿を見られて良かった。
初めて武道館で蒼井さんのライブに行ったとき、アンコールでみんなのコールが揃わなかった。
みんなも初めてだったから、なんていったらいいかわからなくて「アンコール!」と「しょーたん!」が混ざってざわざわして、最終的に弱々しく「しょーたん!」に統一された。
アンコールでステージに戻ってきた蒼井さんも「アンコールからしょーたんに変わっていくの、聞こえてたよ」と嬉しそうにしていた。
ライブを見るとき、なんか一番上の後ろの席になることが多かった。
良席にこだわりがないので毎回そのまま見ていたけど、客席もよく見えて、会場全体がそれぞれのペンライトで彼を青く照らしているのを見て
「ファンが彼をアイドルにしてるんだな」と唐突に思ったことがある。
正確には彼はアイドルではないんですけど、アーティストなんですけどそこは置いといて。
蒼井さんは一人であっても歌が上手いだとか、綺麗だとか、おもしろいだとか、魅力的であることは変わりないし間違いないけど
一人でステージにたっても、それは一人の人間でしかなくて、
たくさんの人が蒼井さんを応援して、会場に足を運んで、彼を想って青いペンライトを灯して、会場を真っ青にして
初めて彼は「アイドル」になるんだ。
私達が彼をアイドルにしてるんだ。
私はドルオタだけど、既に国民的スターな人達を好きになったから
「人がアイドルになっていく」瞬間をはじめて見せてもらった。
私は蒼井翔太さんのファンじゃないと思う。多分。
ファンだったらたむたむの事をフーンって思いながら鼻くそほじったりしないし
オメーーはいつまでMILK BOY着て両手でギュッとマイク握ってるんだよ!!とか言ったりしないと思う(ここに来ての暴言)
じゃあ私にとって蒼井さんってなんなのかなって考えたけど
「恩人」なのかもしれない。
夢を掴んでいくところを見せてくれてありがとう。
強くなっていくところを見せてくれてありがとう。
正直言うと、いつまでもMILK BOY着て萌え袖でいてくれって思っています。
いつまでも両手でギュッとマイク握っててください。
それを見ながらいつまでも鼻くそをほじっていたいので。