箱推しをつらいと思う日がくるなんて
「箱推し」がアイドルオタクの一番理想的で平和な形だと信じて疑っていなかった。
「箱推し」でない人をかわいそうだとすら思っていた。
そもそも「箱推し」とはどういう意味なのでしょうか。
アイドルのオタクがよく使う言葉で、グループ丸ごと応援しています、という意味で使われています。
その反対語として「単推し」があり、これは「●●さんしか応援していません」という意味で使われています。多分。
応用編で「●●担の箱推し」は、グループ全体を応援していますが、一番好きな人はこの人です、という意味です。
私は好きなアイドルは複数ありますが、どれも「●●担(推し)の箱推し」です。
幸運にも好きになった人がいるグループが楽曲に恵まれたりやってる事がかっこよかったり、メンバーも全員素敵だったり…自分の好きな人が素敵なグループに所属している。
いつも感謝。幸運なのか、素敵なグループだから好きになった人は素敵なのか、好きな人がグループを素敵にしているのか…
わかりませんが、いつだって「●●担の箱推し」でした。
そうでない人がこの世界にいることはわかっているけど、「なんで?こんなに素敵なグループだしメンバーなのに、何故箱推しにならないでいられるんだろう…」くらいなもんで
チケットの取引を自分から発信する時は、いつも条件に「グループ全員が大好きな方」と明記していました。
実際、いつも平和だったし、良い人にめぐり合えたし、みんな優しかった。
そんな「箱推し絶対神話」を妄信していた私が、今、箱推しでいることがつらいなと思っている。
リリウムという舞台をみて、和田彩花さんが大好きになって、楽しくて楽しくて
和田さんを中心としたアンジュルムはかっこよくって、新メンバーが入るたびにみんな笑顔で迎え入れて、グループの雰囲気がすごくよくて、パフォーマンスは超かっこよくて、好きだな、素敵だな、大好きだな!!!!
アンジュルム大好き!!!!あやちょ推しの箱推し!!!!
あやちょのこと大好きだな、リーダーのことみんなが慕ってるな、素敵だな
2期は1期と一緒にたくさんの苦労を乗り越えてきたからか結束が固いな。3期以降のよきお姉さんだな
3期はパフォーマンスがすごすぎるな。もうアンジュの主力だな。上とも下とも仲良くて可愛いな
4期、5期のポテンシャルはすごいな。明るい未来しか感じないな。
6期は2人とも色んなことを経てのアンジュ加入だから即戦力だな。でも年相応の女の子で2人とも泣き虫だな。すっごく可愛いな
アンジュルム好きだな。全員大好き。この10人のこと大好きだ。
この10人のアンジュルムが大好き。
こう思ってたのが半年前。まだ半年前か…
そこから和田さん卒業まであれよあれよと時間が過ぎ、卒業公演も無事見届け
2期の勝田さんが卒業した。和田さん卒業から3ヶ月という速さだった。
推しがいないグループを見る勇気がなくてしばらくアンジュから離れていたけど、勝田さんの卒業は見届けなければ…!!!と這いずりあがって
ライビュで見届けた公演はとても素晴らしく勝田さんは美しく、またアンジュルムの事応援できるかも…!!!と、とても明るい気持ちになった。
メンバーの事は大好き。
私は箱推し。グループのやってる事がすき、曲がすき、メンバーがすき…
またライブに行きたいな!!
そんな明るい気持ちになった5日後、2期の中西さんの卒業が発表された。
なんかもうめちゃめちゃショックだった。めちゃめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃめちゃショックだった。
(余談ですがこの発表を受けた日、職場で必要な資格試験の前日だったのだが、もう全然勉強どころではなくなってしまったのでマジで運が悪かった。)
なにがショックだったかって、「やだ!!!!!!!!!!!!!!!」と思ってしまった自分がショックだった。
今までも卒業発表の度にガーン…となっていたけど、今回は心底やだ!!!!!!!!だった。
私は、アイドルはアイドルである前に一人の人間だから、自分のしたい事に正直で居てほしいと思っていて
極端な話、好きな人がいれば恋愛していいと思ってるし、他の夢があるならアイドルをやめてもいいと思っている。
思っているけど、「やだ!!!!!!!!かななんやめないで・・・・・・・」と思ってしまった。
中西さん。かななん。
かななんがいなくなるのは寂しい。かななんの優しさを知っている。
かななんは周囲が見えMCでお客さんを盛り上げるのも上手だった。
かななんの映画ブログが好きだ。感想から人柄が伺えた。
かななんは衣装で露出しなくてもセクシーで、演技が上手だ。個人的に男役が大好き。
かななんの歌うヤッタルチャンが大好き。元気をくれる。
かななんいなくならないで…だって、リーダーのあやちょが卒業して
2期で衣装をやったり、冷静で大人にも意見できる強くて綺麗な勝田さんも卒業して
2期の優しくておもしろくてセクシーでお姉さんの、サブリーダーのかななんが卒業しちゃったら
それってもう、私が好きになったアンジュルムなのかな…
そういうことを考える自分が悲しかった。
新しく入ってくる若い新メンバーたち、彼女達はとても可愛い。
一生懸命ダンスを覚えている様は泣けるし、可能性しか感じない。
彼女達は一切悪くない。悪いのは「好きになったあのアンジュルム」にいつまでも拘ってしまう私です。
箱推しで居る事をつらいと思う。
「箱」そのものが変っていく事を受け入れなければならないから。
大好きになった「箱」が変っていく、違う箱になっていくのに、変らずに愛し続けることを今、とても難しく感じている。
大好きになった女の子達の「卒業」は一大セレモニーでいってしまえば「女子ドルの醍醐味」みたいなところがある。
巣立つ彼女達の新たな夢を、ファン一丸となって背中を押す。泣ける。
泣けるが、私は彼女達を好きになりすぎて、もう見送る事をエンタメと捉える事が難しい。
彼女達の選択を否定するのは嫌だ。彼女達の人生を肯定したい。応援したい。
でもグループが変っていくのが嫌だ。あの時の彼女達の為に作られた曲を、今見るととても不思議な気持ちになってしまう。
こういうことを考えるのに疲れてしまった。もうハオロタをやめたいとさえ思ってしまう。
中西さんのことを思い出すと、笑顔しか思い出せない。
彼女はどんなときも笑顔だったから、かっこいい曲でクールな表情をすることはあったけど
それ以外はずっとずっと笑顔だったから。
怪我でつらいこともあったろう、あの時ですらずっと笑顔だった。ほかのメンバーが皆感情豊かに出す中、ずっと笑顔だった。その優しさといじらしさが好きだ。
それに気付いたのが今なのもつらい。
これからタケちゃんや3期…下の子達もいつか卒業するのかと思うとマジで耐えられない
箱推しつらい。箱を愛する事のつらさを知ってしまった。
単推しだったらグループが変わっていくことに心を傷めずに済んだのだろうかとか考えてしまう。
グループを好きでいたい。こういう思考回路が既にしんどい。「好きでいなきゃ」と思った時点でそれは違うのではないかと思ってしまう。
中西さんが卒業するまでの2ヶ月で自分の考えがどう変るのか、全然わからないでいる。また大好きにさせてほしい。オタクはどうしたってアイドルに委ねるしかないのだから。